「真夜中の補講」公式ブログ

ツイキャスで、学術書の著者インタビューや研究教育の雑感を配信しています。

これまでの補講・第8回(2016.12.3)著者インタビュー

今井宏昌さん(『暴力の経験史』)に生インタビュー!

2016年12月3日(土)23:30~1:30

著者インタビュー第2弾は、2016年5月に『暴力の経験史ー第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経験 1918~1923』を上梓された今井宏昌さん(ドイツ近現代史)をお招きしました。

この今井さんこそ、「学会に行ってみたよ」の回で伏線を張った方でありまして。

いや本当、たまには学会に出てみるものですね。

 

今井さん、12月の時点でなんとまだ20代

若くて優秀で、着実に成果を出している人を見ると、ひねくれ者の私は、何か重大な人間的欠陥はないものかと目を皿のようにして探してしまうのです。

自分を納得させようとして。

でも、ないのよね。

今井さん、人間的にも実直で誠実で真摯。

困った人です。

こうなったら、実は逆上がりができないとかでもいいから、何かないのかな。

 

今回も手始めに、義勇軍て何?」「経験史ってどういうこと?」など、基本的な質問から始めました。

それから、時期設定について。

ドイツ近現代史で暴力の問題を考える際に、なぜ第一次世界大戦に焦点を当てたのか。

そのあと、本で取り上げられている3人の人物についての紹介。

途中でマイクトラブルが発生して、私の音声が聞こえなくなるという、インタビューとしては最悪な事態が生じたこともあり、リスナーとのやりとりが十分にできなかったのが、残念でした。

それでも、今井さん自身による説明の時間をしっかりとれた分、むしろ本の意図や特徴がよく伝わったかもしれません。

 

最後は、3人の経験を掘り下げて数10万人が加わったとされる義勇軍の歴史的な意義を考える、という方法についての議論になりました。

数で勝負することを敢えてしないという方法のメリットをどう説明するか、ということなのですが。

ちゃんと方法化して独自性をアピールしたほうがいい、という意見が、いつの間にか→そうだ今井さんはまじめすぎる→そうだ今井さんはいい人すぎるなど、謎な論理展開に。

やっぱり今井さんのあらを探そうと躍起になる、アラフォー研究者たちでした。

 

2時間にもわたり、真摯に受け答えをしてくださった今井さんに、改めて感謝いたします。

どうもありがとうございました。

ちなみに、今井宏昌さんの『暴力の経験史』、2017年3月29日(水)に、西日本ドイツ現代史学会合評会が行われます。

専門外ですが、僭越ながら私めもコメンテーターとして参加いたします。

ご関心のある方はぜひご来場ください。

一緒に広島でお好み焼きを食べましょう!

(2017.1.29 記す)

 

これまでの補講・第7回(2016.11.19)

テーマ「K川財団残念賞セルフエア授賞式!」

2016年11月19日(土)23:30~0:30(たしか)

9月に3つあった派手派手しいことの、最後の一つについて。

拙著『都市と暴動の民衆史』がK川財団学芸賞にノミネートされ、10月17日(月)に「残念ながら今回は受賞にいたりませんでした」というお電話をいただくまでの狂騒曲についてお話しました。

 

一番最初にノミネートについて版元から一報が入ったのが、9月2日でしたか。

週明けに正式な通知が届き、最終審査の日の連絡先などを返送。

ノミネート作品が正式にプレスリリースされたのが、9月9日でした。

それから発表まで一ヶ月あまり。

私めの小さき心はそわそわそわそわ

発表当日なんざ、それはもう落ち着かず。

仕事が手につかず。

熊のように研究室を徘徊し、かと思えば、急にイスに座って、神に祈りを捧げるなどし。

人間的な器の小ささをあますことなく発揮したのでありました。

 

だってー。

副賞100万円だよ?

そんなこと言われたら、どうしたって「それ私の100万円。」て思うわな。

 

とはいえ、2015年に出版された人文学の研究書のなかから、最後の4冊にまで残していただいたのは、光栄というほかなく。

絶大なる励みになりました。

落選したにもかかわらずご招待いただいた祝賀会のご飯のおいしさも含め、良い経験をさせていただきました。

どうもありがとうございました。

(2017.1.27 記す)